電波標識には次のようなものがあります。
航路標識に電波を使い始めた頃は、電波がまっすぐに進み、それを受けるアンテナの形によっては、電波が進んできた方向がわかる原理を利用したものから始まりました。これを方向探知機と呼んでおり、今では この方法の進歩したものとして、マイクロ波は無線標識(近距離用)などがこの仲間にあります。
そのほか、電波を使って船のレーダー画面などに航路標識のマークなどを映すAIS航路標識があります。
マイクロ波無線標識(船のレーダーと同じ電波を使っている電波標識)
電波の灯台から出している電波を船のレーダーで受けると、船のレーダーの画面上に、船とレーダーの画面上に、船と送信局とを結ぶ延長線上に点線が現れます。
AIS航路標識
AIS(船舶自動識別装置)とは、船舶に搭載されたアンテナから電波を発射し、自船の位置や針路、速力などの情報を自動的に送信したり、他船の情報を受信したりすることができる装置です。
船舶間で情報を交換することにより、レーダーでは捉えにくかった島影などの船舶も正確に把握することができ、より安全に航行できるようになりました。
AIS航路標識は、AISの機能を用いた電波標識であり、船舶に搭載されたレーダーや電子海図情報表示システム(ECDIS)等の機器に標識の種別ごとに設定されたシンボルマークを表示させるものです。
電波を利用することで、気象海象の影響を受けにくく、AISを表示することができる機器を搭載していれば、安定してその存在を確認することができます
※電子海図情報表示システム(ECDIS)
AIS、レーダー、海図情報などを同一画面に重ねて表示させ、他船の動きが容易に把握できるほか、危険海域に近づくと警報を鳴らす機能などを有したシステムです。
AIS航路標識は、リアル・シンセ・バーチャルの3種類に区分けできます。
- ◆リアルAIS航路標識
実在する航路標識から当該標識の位置を示すAIS信号を送信する標識
- ◆シンセAIS航路標識】
遠隔地から実在する航路標識の位置を示すAIS信号を送信する標識
- ◆バーチャルAIS航路標識
遠隔地から実在しない航路標識の位置を示すAIS信号を送信する標識