航路標識の話

11. レンズのはたらき

 灯台をおとずれて、いちばん目をひくのは、大きなレンズでしよう。

 レンズには、いちばん大きい1等から順に6等までと、6等より小さい等外という等級があり、レンズの焦点(しょうてん)距離(きょり)できめています。

 それで、1等レンズを使っている灯台を1等灯台、2等レンズのところを2等灯台といいます。

 

犬吠埼灯台の航路標識資料展示館に展示されている1等レンズ

 

 大型レンズの元祖であるフランスで焦点距離により分類するのが始まりで、ほぼ万国共通であり、レンズの大きさを示す目安となりますが、高さの異なるものが多く存在します。

 ◆レンズ

 

等級

1 2 3 4 5 6
大型 小型
焦点距離(mm) 920 700 500 375 250 187.5 150
レンズの高さ(mm) 2590 2068 1576 1250 722 541 433

 

 

 灯台のレンズは、発明者の名前をつけたフレネル式といって、レンズの表面が、でこぼこしています。では、その原理を説明しましょう。
 図の(1)のように大きい凸とつレンズを作ると、厚くて、重くなってしまいますが、これを(2)のようにすれば、うすくできます。それを作りやすいように、(3)のようなかたちにしても、光の進みかたは変わりません。
 この(3)のかたちのものを、フレネル式レンズといいます。
 大型の灯台レンズには、図の(4)のように、フレネル式にプリズムを組合せて、強い光が出せるようになっています。

 

 

 それでは、灯台はどれだけ強い光を出しているのか調べてみましょう。
 千葉県の犬吠埼灯台のレンズは、1等4面フレネル式閃光レンズといって、レンズの高さは約3.0メートルもあります。このレンズは、モーターで1分間に1回転するので、船では15秒ごとにピカッと白く光るのが見えます。メタルハライドランプ400ワットの電球を使って、110万カンデラの明るさになり、約36キロメートルの遠くまでとどきます。
 日本一高いところにある灯台は、日本海に面した兵庫県の余部埼灯台です。では、この灯台の光の強さと、光のとどく距離は、どうでしょうか。
 余部埼灯台のレンズは、3等閃光レンズで、250ワットのメタルハライドランプを使って、44万カンデラと、犬吠埼灯台の明るさの1/3程度ですが、光は、約44キロメートルの遠くまでとどきます。
 また、港の入口に立っている灯台などは、光が強すぎると、まぶしくて船のかじがとれなくなるので、灯台の光の強さは、その灯台を利用する船が見やすいように、きめられています。

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